びまん性汎細気管支炎(DPB)

概要・推奨

概要

  • びまん性汎細気管支炎(DPB)は、病理学的に両肺びまん性の呼吸細気管支領域の慢性炎症を特徴とし、臨床的に慢性副鼻腔炎を伴う慢性気道感染症の病態をとり、閉塞性換気障害を来す疾患です。
  • 典型的な症状は慢性的な咳や痰であり、疾患の進行に伴い労作時息切れや呼吸困難などの症状が出現します。8割以上の患者で鼻閉感や後鼻漏などの副鼻腔炎症状を伴います。
  • 胸部聴診所見では断続性ラ音、連続性ラ音のいずれも聴取します。
  • 1960年代に本邦で疾患概念が確立し、東アジア地域で人種特異的にみられます。当初は予後不良の疾患でしたが、1984年にエリスロマイシン少量長期投与の有効性が報告されて以来、予後は劇的に改善しました。
  • 近年では有病率自体が低下しており、ある調査では1970年代に10万対11であったものが、2000年以降は0となっています。
  • 家族発症例が多く報告され、日本人DPB患者ではHLA-B54が63.2%と高率に陽性であり、遺伝的要因が関与すると考えられています。

推奨

  • 診断後は早期に治療を開始し、少なくとも6ヵ月間継続することが推奨されます。
  • 治療効果は、喀痰減少や画像所見、呼吸機能検査所見などを参考に、治療開始後6ヵ月を目安に総合的に評価します。
  • 安定期の治療として、マクロライド少量長期療法が有効であり推奨されます。まずエリスロマイシン(EM)かロキシスロマイシン(RXM)で治療を開始し、効果不十分な場合は他剤への変更を考慮します。それでも無効な場合は、非結核性抗酸菌(NTM)症を除外した上でクラリスロマイシン(CAM)、さらにアジスロマイシン(AZM)への変更を検討します。