脊髄血管病変(脊髄動静脈奇形、硬膜外・硬膜下血腫、など)

概要・推奨

概要

  • 脊髄血管病変は、脊髄およびその周辺組織の血管に起因する疾患の総称です。
  • 代表的な疾患として、脊髄硬膜動静脈瘻、脊髄動静脈奇形、脊髄海綿状血管腫などの血管奇形に加えて脊髄硬膜外血腫、脊髄硬膜下血腫、脊髄梗塞などが含まれます。
  • 発症様式は、突然の激しい背部痛や麻痺を呈する急性発症から、数週から数ヶ月かけて緩徐に進行する亜急性・慢性進行性まで多様です。
  • 主な症状は、病変の部位と範囲に応じて、対麻痺や四肢麻痺、レベルを有する感覚障害、膀胱直腸障害などが出現します。
  • 不可逆的な脊髄機能障害に至る可能性があるため、迅速な診断と適切な治療介入が重要となります。
  • 診断には、MRIが最も有用な画像検査です。血管奇形が疑われる場合には、脊髄血管撮影が確定診断のためのゴールドスタンダードとなります。
  • SDAVFは数ヶ月〜3年で進行して不可逆的な脊髄障害となりますが、早期にシャントを閉鎖すれば病状の進行を止め、回復が期待できます。
  • 脊髄炎を疑われてステロイドを投与されると悪化する場合があり、ステロイドで悪化する脊髄症では本症を鑑別する必要があります。

推奨

  • 急性発症の対麻痺や明らかなレベルを有する感覚障害を認める場合、脊髄血管病変を鑑別疾患として考慮します。
  • 脊髄血管病変が疑われる患者の画像評価には、MRI検査を第一選択として行うことが推奨されます。
  • 進行性の神経症状を伴う脊髄硬膜外血腫や硬膜下血腫に対しては、緊急の外科的血腫除去術を考慮します。