慢性腰痛(治療含む)
概要・推奨
概要
- 慢性腰痛は、発症からの期間が3ヵ月以上継続する腰痛と定義されます。
- 痛みの部位は、体幹後面の第12肋骨と殿溝下端の間にある、少なくとも1日以上継続する痛みとされます。片側または両側の下肢に放散する痛みを伴う場合と、伴わない場合があります。
- 慢性腰痛の自然経過は、急性腰痛に比べて不良であり、軽度から中等度の痛みが残存する傾向があります。
- 慢性腰痛患者の疼痛スコア(最大100)は、ベースラインの平均51から6週間で33に改善しますが、52週後でも23程度と痛みが残存することが報告されています。
- 病態には腰椎から脳にいたる様々な部位が関与しており、特に心理社会的因子が痛みの遷延化に強く関連することが知られています。
- 慢性腰痛患者の16.7%から54.4%に神経障害性疼痛がみられると報告されています。
- 脳機能の解析では、痛み処理や情動応答に関連する脳領域の変化が報告されています。
推奨
- 慢性腰痛に対しては、安静にするよりも活動性を維持することが推奨されます。
- 薬物療法は、疼痛軽減や機能改善に有用です。推奨される薬剤には、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、弱オピオイド、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液、非ステロイド性抗炎症薬、アセトアミノフェン、三環系抗うつ薬があります。
- 強オピオイドの使用は、過量使用や依存性の問題があるため、厳重な注意が必要です。