糖尿病網膜症
概要・推奨
概要
- 糖尿病網膜症は、糖尿病による慢性の高血糖状態が原因で、網膜の細い血管(細小血管)が障害されることによって起こる合併症です。
- 初期には自覚症状がほとんどないことが多いですが、進行すると網膜に出血や浮腫(むくみ)、白斑などが現れます。さらに進行すると、新生血管という異常な血管が発生し、硝子体出血や牽引性網膜剝離などを引き起こし、重篤な視力障害の原因となります。
- 糖尿病網膜症のどの病期においても、網膜の中心部である黄斑に浮腫が生じることがあり、これを糖尿病黄斑浮腫と呼びます。黄斑浮腫は、視力低下や、ものが歪んで見える変視症の原因となります。
- 主なリスク因子として、高血糖、長い糖尿病罹病期間、高血圧、脂質異常症、腎機能障害などが知られています。
- 日本人2型糖尿病患者における糖尿病網膜症の発症率は、年間3%から4.%程度と報告されています。
- 診療の目的は、早期発見と適切な時期の治療介入により、視機能障害を予防・回復し、生活の質(QOL)を維持することです。
推奨
- 糖尿病と診断されたら、自覚症状がなくても速やかに眼科を受診し、定期的な眼底検査を受けることが推奨されます。
- 眼科の定期診察間隔の目安として、網膜症がない場合は年1回、軽症から中等症の非増殖網膜症では6か月に1回、重症非増殖網膜症では2か月に1回、増殖網膜症では1か月に1回の受診が望ましいとされます。
- 糖尿病網膜症の発症や進行を抑制するため、内科医と連携し、血糖(合併症予防の目標はHbA1c 7.0%未満)、血圧、脂質を良好に管理することが推奨されます。