糖尿病
概要・推奨
概要
- 糖尿病は、インスリン作用の不足により生じる慢性の高血糖を主徴とする代謝疾患群です。
- 小児・思春期に発症した糖尿病は、患者が身体的・心理的に成長発達過程にあるため、成人とは異なる療養指導や支援を必要とします。
- 糖尿病の分類は、成人と同様に、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の機序や疾患によるもの、妊娠糖尿病の4つに大別されます。
- 1型糖尿病は、主に自己免疫機序による膵β細胞の破壊が原因でインスリンが絶対的に不足する状態です。
- 2型糖尿病は、インスリン抵抗性とインスリン分泌低下が組み合わさって発症し、小児・思春期では肥満が関連することが多いです。
- その他の特定の機序による糖尿病には、新生児糖尿病や若年発症成人型糖尿病(MODY)などの単一遺伝子異常によるものや、他の疾患・薬剤に伴うものが含まれます。
- 糖尿病の診断は、慢性の高血糖状態を確認して行います。①空腹時血糖値126mg/dL以上、②75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値200mg/dL以上、③随時血糖値200mg/dL以上、④HbA1c 6.5%以上(NGSP値)のいずれかを満たす場合を「糖尿病型」と判定します。
- 初回検査で血糖値とHbA1c値がともに糖尿病型を示す場合や、血糖値が糖尿病型で口渇・多飲・多尿・体重減少などの典型的症状または確実な糖尿病網膜症がある場合は、1回の検査で糖尿病と診断されます。上記以外では、別の日に行った再検査で再び糖尿病型が確認された場合に診断されます。
- 治療の目的は、合併症の発症・進展を抑制し、糖尿病のない子どもと同様の生活の質(QOL)を保つことです。
- 1型糖尿病の治療は、生理的なインスリン分泌となるインスリン自己注射による療法が中心です。
- 2型糖尿病の治療は、食事療法や運動療法といった生活習慣の修正が基本であり、必要に応じて薬物療法が行われます。
- 小児・思春期の良好な血糖コントロールは、網膜症、腎症、神経障害といった将来の合併症の発症・進行を抑制する可能性があります。
- 小児・思春期糖尿病では、成長・発達への影響を考慮し、過度に厳格な血糖コントロールによる低血糖リスクと合併症予防のための良好なコントロールのバランスを個別に検討することが重要です。
推奨
- 強化インスリン療法は、小児・思春期1型糖尿病の血糖管理に有効であり、推奨されます。
- 持続皮下インスリン注入療法(CSII)は、インスリン頻回注射法(MDI)に比べ、小児・思春期1型糖尿病のHbA1cの改善にわずかに有効です。
- 応用カーボカウントは、強化インスリン療法を行っている小児・思春期糖尿病の血糖管理に有効です。