全身性エリテマトーデス腎障害
概要・推奨
概要
- 全身性エリテマトーデス(SLE)における腎障害はループス腎炎(LN)と呼ばれ、生命予後や腎予後に大きく関わる重要な臓器病変です。
- 腎生検による病理組織学的評価は、治療方針の決定や予後予測に重要です。
- LNの病理組織は、国際腎臓学会/腎病理学会(ISN/RPS)分類に基づき、Class IからVIに分類されます。
- 組織型によって予後や治療反応性が異なり、免疫抑制療法の適応は主にClass IIIからVと考えられています。
- Class IIIおよびIVは増殖性病変でタンパク尿および腎機能障害と関連し、Class Vは膜性病変で治療抵抗性のタンパク尿を呈することが多いとされています。
- Class IIIとV、あるいはClass IVとVが複合した病型は、予後不良と考えられています。
- LN治療の最終目標は、長期的な正常腎機能の保持であり、そのためには早期の寛解導入が重要です。
- 治療の基本は、グルココルチコイド(GC)と免疫抑制薬の併用です。
- GCは生命予後および腎予後を改善させますが、副作用を避けるため必要最小限の投与量と期間で用いることが推奨されます。
- 寛解の定義は、原則として尿タンパクの消失と正常な腎機能です。
- LN合併例は非合併例より予後不良であり、心血管合併症が多いため、降圧療法、脂質低下療法、抗血栓療法などの補助療法も重要です。
推奨
- ループス腎炎(LN)の予後予測には、国際腎臓学会/腎病理学会(ISN/RPS)分類を用いることを推奨します。
- LNに対するグルココルチコイド(GC)治療は、必要最小限の投与量を最短期間で、免疫抑制薬と併用しながら投与することを推奨します。
- GCの漸減および維持療法にあたっては、全身性エリテマトーデス(SLE)の全般的な活動性を考慮しつつ、尿所見と腎機能の定期的なモニタリングを行いながら、可能な限り減量に努めることを推奨します。