急性骨髄性白血病
概要・推奨
概要
- 急性骨髄性白血病(AML)は、分化・成熟能が障害された幼若な骨髄系細胞がクローナルに自律性増殖する、多様性に富んだ造血器腫瘍です。
- 骨髄で白血病細胞が異常に増殖する結果、正常な造血機能が著しく阻害され、白血球減少、貧血、血小板減少をきたし、それらに伴う感染症や出血などの症状を呈します。
- 若年成人症例の治療の基本は治癒を目指した強力な多剤併用化学療法であり、寛解導入療法と寛解後療法から構成されます。治療適応は年齢、臓器機能、全身状態などを慎重に判断します。
- 化学療法のみでは良好な長期予後が期待できない若年成人症例では、第一寛解期に同種造血幹細胞移植が適応となります。
- 高齢者AMLでは、若年成人と同等の強力な化学療法を一律に実施することは困難であり、治療強度の決定には慎重な判断が必要です。
- 診断は、骨髄中の白血病細胞の割合(WHO分類では20%以上)、白血病細胞が骨髄系起源であることの証明、染色体・遺伝子変異解析によって行われます。
- 近年提唱されたICC分類では、特定の遺伝子異常がある場合は骨髄芽球10%以上でAMLと診断するなど、遺伝学的特徴がより重視されています。
- 予後には年齢や全身状態といった患者側要因と、染色体核型や遺伝子変異といった白血病細胞側要因が関係します。特に、染色体核型と遺伝子変異を組み合わせたELNのリスク分類が予後予測に広く用いられています。
推奨
- AMLの治療選択と予後予測のために、染色体核型検査と遺伝子変異(FLT3、NPM1、CEBPA、TP53など)の解析が推奨されます。
- 予後予測や治療方針決定のため、測定可能残存病変(MRD)の評価として、疾患特異的なキメラ遺伝子やWT1遺伝子のmRNA発現量を経時的に測定することが考慮されます。
- 若年者(65歳未満)の初発de novo AMLに対する標準的な寛解導入療法として、アントラサイクリン系薬剤と標準量シタラビン(AraC)の併用が推奨されます。特にFLT3-ITD変異陽性例には、この化学療法とキザルチニブの併用が勧められます。