肺胞低換気症候群およびCO2ナルコーシス
概要・推奨
概要
- 肺胞低換気症候群は、明らかな器質的疾患を認めず、呼吸中枢の調節異常などにより肺胞低換気(PaCO2 > 45 mmHg)を呈する病態の総称です。
- 肺胞低換気症候群は、睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)における睡眠関連呼吸障害群の中の「睡眠関連低換気障害」として分類され、指定難病としては主に、肥満低換気症候群(OHS)の一部(覚醒時の肺胞低換気がCPAP療法でも改善しない例)、先天性中枢性低換気症候群(CCHS)、特発性中枢性肺胞低換気が含まれます。
- 肺胞低換気は睡眠中、特にREM睡眠中に増悪する特徴があり、高二酸化炭素血症と低酸素血症をきたします。
- これが進行すると、起床時の頭痛、日中の眠気、呼吸困難感、肺高血圧や右心不全などの症状を引き起こすことがあります。
- CO2ナルコーシスは、肺胞低換気がさらに進行し、高度の高二酸化炭素血症によって意識障害や不穏などを呈する状態です。CO2ナルコーシスによる意識障害や不穏は、非侵襲的陽圧換気(NPPV)療法によって改善することがあります(ただし、意識障害が高度な場合は一般的に適応外)。
推奨
- 肺胞低換気症候群の基本的な治療は、非侵襲的陽圧換気(NPPV)などの適切な換気補助療法です。根治的治療法は確立されておらず、生涯にわたる呼吸管理が必要となる場合があります。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪に伴う高二酸化炭素血症に対しては、NPPVの使用が推奨されます。
- 拘束性胸郭疾患(肺結核後遺症や脊椎後側彎症など)による慢性Ⅱ型呼吸不全に対しては、長期NPPVの使用が推奨されます。