A型肝炎
概要・推奨
概要
- A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)による急性肝炎です。
- HAVは、ピコルナウイルス科ヘパトウイルス属に属する、直径約27nmのエンベロープを持たないRNAウイルスです。
- 感染経路は糞便-経口感染が基本ですが、男性と性行為を行う男性における性的接触など、性行為によっても伝播することがあります。
- 潜伏期間は平均28日(15〜50日)で、おもな症状には発熱(76%)、倦怠感(80%)、食欲不振、嘔吐(47%)、黄疸(84%)などがあります。
- 6歳未満の小児では感染しても症状が現れることは10%以下ですが、14歳以上では70〜80%に黄疸などの症状がみられます。
- 肝機能検査では、ALTが1,000 IU/L以上に上昇することが特徴です。
- 通常は1〜2か月で自然に回復し、慢性化することはありませんが、約0.5%の症例で急性肝不全を合併することがあります。
- 日本では年間100〜300例の発生報告があり、2018年には男性の同性間性的接触者を中心に大規模な流行がみられました。
推奨
- 急性肝炎が疑われる患者さんでは、A型肝炎を鑑別診断に含めることが推奨されます。
- A型肝炎の診断は、血清中のIgM-HA抗体の検出によって行うことが推奨されます。
- A型肝炎が臨床的に強く疑われるにもかかわらず、初回のIgM-HA抗体検査が陰性であった場合には、7日以上あけて再検査することが推奨されます。