多発性骨髄腫

概要・推奨

概要

  • 多発性骨髄腫は、形質細胞の単クローン性(腫瘍性)増殖と、その産物である単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)の血清・尿中増加を特徴とする疾患です。
  • M蛋白や骨髄腫細胞の増殖により、高カルシウム血症(Hypercalcemia)、腎障害(Renal insufficiency)、貧血(Anemia)、骨病変(Bone lesion)といったCRAB症状をはじめとする多彩な臨床症状を呈します。
  • わが国では人口10万人あたり約5人の発症率で、死亡者数は年間4,000人前後であり、発症率、死亡率ともに年々増加傾向にあります。
  • CRAB症状や、骨髄中形質細胞比率60%以上、血清遊離軽鎖比100以上などのmyeloma-defining biomarker(SLiM基準)を有する症候性多発性骨髄腫が全身化学療法の対象となります。

推奨

  • 65歳未満で主要な臓器機能が保持されている移植適応患者さんには、ボルテゾミブ(BOR)やレナリドミド(LEN)を含む寛解導入療法後、自家造血幹細胞移植を併用した大量メルファラン(MEL)療法が推奨されます。
  • 移植適応のない患者さんに対しては、DLd療法(ダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾン)またはD-MPB療法(ダラツムマブ、メルファラン、プレドニゾロン、ボルテゾミブ)が推奨されます。
  • 再発・難治性の患者さんに対しては、前治療の内容や期間を考慮し、プロテアソーム阻害薬や免疫調節薬を含む3剤併用療法などが推奨されます。免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体を含む2レジメン以上の前治療歴を有する場合は、BCMAを標的としたCAR-T細胞療法も推奨されます。