多発性嚢胞腎
概要・推奨
概要
- 常染色体顕性多発性囊胞腎(ADPKD)は、最も頻度の高い遺伝性腎疾患です。
- 日本における患者数は約31,000人と推定されています。
- 両側の腎臓に多数の嚢胞が進行性に発生・増大し、腎機能が徐々に低下するため、約半数の患者が60歳までに末期腎不全に至ります。
- 高血圧、肝嚢胞、脳動脈瘤などの腎臓以外の合併症を伴うことが特徴です。
- 原因遺伝子としてPKD1とPKD2が知られており、約80%がPKD1遺伝子、約15%がPKD2遺伝子の変異によるものとされています。
推奨
- ADPKDが疑われる、あるいは診断された患者、特に診断に迷う場合やトルバプタン治療の適応となりうる場合は、腎臓専門医への受診が推奨されます。
- 急速に進行する、あるいは進行が予想される成人ADPKD患者には、腎機能低下を抑制する目的でトルバプタンによる治療が推奨されます。治療中は、利尿に伴う有害事象に留意し、肝機能検査値を定期的にモニタリングする必要があります。
- 高血圧を合併するADPKD患者には、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を中心とした降圧療法が推奨されます。