腸管CMV感染症
概要・推奨
概要
- 腸管CMV感染症(CMV胃腸炎)は、悪心、嘔吐、腹痛、下血などの臨床症状と、内視鏡で確認される消化管の粘膜病変(潰瘍、びらん、発赤など)に加え、生検組織を用いた病理学的検査でCMV感染が証明されることで確定診断されます。
- 近年、抗ウイルス薬による先制治療の普及によりCMV感染症全体の発症は減少していますが、その中でCMV胃腸炎が占める割合は70~80%と高くなっています。
- しばしば消化管GVHD(移植片対宿主病)を合併します。
- CMV胃腸炎は初期は局所の粘膜病変にとどまるため、血液検査(CMV抗原血症検査やPCR法)でウイルスが検出されないことがあります。
- CMV胃腸炎発症時のCMV抗原血症検査の陽性率は約30%と報告されており、この検査が陰性であってもCMV胃腸炎を否定することはできません。
推奨
- 臨床的にCMV胃腸炎が疑われる場合、血液検査(CMV抗原血症検査)が陰性であってもCMV胃腸炎は否定できないため、積極的に消化管内視鏡検査を行い、生検組織による病理診断をすることが推奨されます。
- 治療の第一選択薬はガンシクロビルです。ガンシクロビルが効果不十分な場合や、骨髄抑制などの副作用で使用が困難な場合には、ホスカルネットが第一選択薬として推奨されます。
- 治療は、2~3週間の初期治療に続いて、数週間の維持療法を行うことが推奨されます。