角膜炎
概要・推奨
概要
- 感染性角膜炎は、細菌、真菌、原虫(アカントアメーバ)、ウイルスなどの病原体が角膜組織に侵入・増殖することで炎症を引き起こす疾患です。
- 視力低下、疼痛、流涙など、日常生活に支障をきたす症状を伴います。
- 日本における発症者の年齢分布は20代と60代にピークを持つ2峰性を示し、発症誘因としてはコンタクトレンズ(CL)装用が最多を占めています。
- 診断は、問診、臨床所見、微生物学的検査の結果を総合的に判断して行います。問診ではCLの使用状況や外傷の有無などを確認し、臨床所見では角膜の浸潤や潰瘍、前房内の炎症などを評価します。
- 原因微生物を特定するために、角膜病巣部擦過物を用いた塗抹検鏡や培養検査などの微生物学的検査が重要となります。
- 治療は原因微生物に応じた薬物療法が中心となり、細菌性には抗菌薬、ウイルス性には抗ウイルス薬、真菌性には抗真菌薬が用いられます。アカントアメーバ角膜炎では、有効な保険適用の薬剤がないため自家調整点眼液が使用されます。
- 重症例では治癒までに長期間を要することがあり、治癒後も不正乱視などの後遺症によって視機能が低下する場合があります。
推奨
- 細菌性角膜炎の診断には、塗抹検鏡と培養検査を行うことが推奨されます。
- 単純ヘルペスウイルス角膜炎の診断には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と免疫クロマトグラフィー法(ICG)が有用とされています。
- 上皮型角膜ヘルペスの治療には、アシクロビル眼軟膏が原則ですが、角膜への薬剤毒性が強い症例やアドヒアランス不良例など、特定の条件下では抗ウイルス薬の全身投与が推奨されます。