女性の脂質異常症
概要・推奨
概要
- 日本人女性における心疾患と脳血管障害を併せた死亡数・死亡率は、悪性新生物よりも多くなっています。
- 女性の心筋梗塞の発症率は男性より低いですが、閉経後に発症率は増加します。冠動脈イベント発症後の死亡率は、女性が男性より高いと報告されています。
- 女性の脳梗塞発症率は男性の50~70%程度です。75歳以上では男性の60~90%となり、心筋梗塞に比べて男女差が縮小します。急性発症脳梗塞の病態は男性より女性で重篤であることが報告されています。
- 女性の血清脂質は閉経を契機に変動し、LDLコレステロール(LDL-C)とnon-HDLコレステロール(non-HDL-C)は50歳以後に上昇して男性より高値となります。トリグリセライド(TG)も50歳を過ぎると上昇します。
- 日本人女性において、総コレステロール(TC)、LDL-C、TG、non-HDL-Cなどの異常は冠動脈疾患発症の重要な危険因子であると考えられています。
- 喫煙の冠動脈疾患リスクに及ぼす影響や、糖尿病が動脈硬化性疾患発症に与える影響は、男性より女性で大きいことが報告されています。
- 高血圧は女性の脳梗塞発症の重要な危険因子です。
推奨
- 高血圧、糖尿病、喫煙などの危険因子の管理は、閉経の前後にかかわらず重要です。特に糖尿病や喫煙は、男性と比較して女性の冠動脈疾患リスクをより大きく上昇させると関連付けられています。
- 高血圧や糖尿病の治療強化は個々の患者の病態に応じて行われますが、禁煙指導はすべての年齢層の女性に行うことが推奨されます。
- 若年時からの健康的な生活習慣の維持は、女性の動脈硬化性疾患予防の要です。