Brugada(ブルガダ)症候群
概要・推奨
概要
- Brugada症候群は、12誘導心電図の右側胸部誘導において特徴的なST上昇(J点増高)を呈し、心室細動(VF)による突然死のリスクがある遺伝性不整脈疾患です。
- 器質的な心疾患を認めないことが特徴です。
- 主として若年~中年男性が夜間に心室細動(VF)を発症して突然死する可能性があります。
- 有病率は東アジアで比較的高く、日本人における特徴的な心電図所見(コブド型ST上昇)の有所見率は0.1~0.3%と報告されています。
- 予後は臨床症状と密接に関連しており、VFの既往がある場合の年間心イベント発生率は8~10%、失神の既往がある場合は0.5~2%、無症状の場合は0~0.5%と報告されています。
- 原因遺伝子として心筋Naチャネル遺伝子(SCN5A)の機能低下をきたす変異が同定されていますが、変異が検出されるのは全体の約15~30%です。
推奨
- Brugada症候群の診断は、高位肋間記録を含む12誘導心電図所見に基づいて行われます。自然発生、発熱時、またはNaチャネル遮断薬負荷後に、右側胸部誘導(V1~V2)の1誘導以上で特徴的なタイプ1(コブド型)ST上昇を認める場合に診断されます。
- 心停止や心室細動(VF)の既往がある場合は、突然死のリスクが非常に高いため、植込み型除細動器(ICD)治療が推奨されます。
- 不整脈が原因と考えられる失神の既往がある場合も、ICD植込みが推奨されます。