大腿骨寛骨臼インピンジメント
概要・推奨
概要
- 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)は、股関節の運動時に大腿骨と寛骨臼が衝突することにより、関節唇や関節軟骨に損傷を引き起こす病態です。
- 診断は、股関節痛などの臨床症状、前方インピンジメントテストなどの身体所見、および単純X線、CT、MRIなどの画像所見を総合的に評価して行われます。
- 世界的にコンセンサスの得られた明確な診断基準はありませんが、他の明らかな股関節疾患に続発する骨形態異常は除外されます。
- 特徴的な骨形態として、大腿骨側に生じるcam変形と寛骨臼側に生じるpincer変形があり、両者が混在するmixed変形も存在します。
- Cam変形は、変形性股関節症の発生における危険因子であると報告されています。
- FAIに特徴的な骨形態は無症状の股関節にも認められることがありますが、特にアスリートではcam変形の頻度が高いと報告されています。
- わが国の研究では、股関節痛を有する患者の7.4%がFAIと診断されたと報告されています。
- 画像検査では、単純X線撮影が基本となり、MRIは関節唇や関節軟骨の評価に有用です。
推奨
- 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)に対し、短中期的な臨床症状の改善を目的として、運動療法、薬物療法、注射療法などの保存療法を行うことを提案します。
- 運動療法は、姿勢の矯正、体幹および股関節周囲の筋力強化、動作パターンの修正などから構成されます。
- 保存療法で症状が改善しないFAIに対して、短中期的な臨床症状の改善のために手術療法(股関節鏡手術)を行うことを提案します。