ホルモン補充療法
概要・推奨
概要
- ホルモン補充療法(HRT)は、卵巣機能の低下によって生じるエストロゲン欠乏をホルモン剤で補う治療法です。
- 更年期に現れる血管運動神経症状(ホットフラッシュ、発汗など)、泌尿生殖器の萎縮症状(性交痛、腟乾燥感など)、精神神経症状(不眠、抑うつ気分など)の緩和や、骨粗鬆症などの疾患の予防と治療を目的として行われます。
- 子宮を摘出した女性にはエストロゲン製剤のみを投与するエストロゲン単独療法(ET)を、子宮を有する女性には子宮内膜を保護するために黄体ホルモンを併用するエストロゲン・黄体ホルモン併用療法(EPT)を行います。
- 使用する薬剤には、経口剤(結合型エストロゲン、エストラジオールなど)と経皮吸収剤(パッチ剤、ゲル剤)があり、投与方法には周期的に休薬期間を設ける周期的投与法と、毎日連続して服用する持続的投与法があります。
- HRTの開始前には、問診、診察、血圧測定、血液検査、婦人科がん検診、乳がん検診などを行い、禁忌症例や慎重投与が必要な症例でないかを確認します。
- 治療中は定期的に診察や検査を行い、効果や有害事象の有無を評価します。
- 副作用として、不正性器出血や乳房痛・乳房緊満感などのマイナートラブルのほか、静脈血栓塞栓症などの重篤なものがあり、リスクとベネフィットを十分に検討した上で治療法を決定します。
推奨
- 更年期障害の血管運動神経症状(ホットフラッシュ、発汗)、泌尿生殖器の萎縮症状(GSM)、および不眠の治療に推奨されます。
- 骨粗鬆症の予防と治療に推奨されます。
- 早発卵巣不全(POI)や外科的閉経など、40歳未満でエストロゲン欠乏状態となった女性に対しては、健康維持のために推奨されます。