心不全 拡張機能障害

概要・推奨

概要

  • 心不全における拡張機能障害は、主に左室駆出率(LVEF)が保たれた心不全(HFpEF)として知られています。
  • HFpEFは、心臓の収縮する力は保たれているものの、拡張する機能が障害されることで心不全症状を呈する状態で、LVEFが50%以上で定義されます。
  • 高齢化や生活習慣病の増加によりその頻度は増加しており、わが国の疫学研究では、症候性心不全(ステージC)の69%を占めると報告されています。
  • 高齢、高血圧、心房細動、冠動脈疾患、糖尿病、肥満などが強く関連する背景因子としてあげられ、心臓、血管、肺や骨格筋などの非心血管系の異常が混在する複雑な病態です。
  • 安静時には異常が明らかでなく診断が難しい場合があり、診断のためには運動負荷心エコー検査や運動負荷右心カテーテル検査が必要になることがあります。

推奨

  • 症状や徴候があり、左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)と診断された患者さんに対して、心血管死または心不全による入院を抑制する目的でSGLT2阻害薬(エンパグリフロジンまたはダパグリフロジン)を投与することが強く推奨されます。
  • うっ血による症状を改善する目的で利尿薬を投与することが推奨されます。
  • 高血圧、心房細動、糖尿病などの併存疾患を適切に評価し治療を行うことが推奨されます。