非感染性結膜炎(アレルギー性結膜疾患、春季カタル、巨大乳頭結膜炎を含む)

概要・推奨

概要

  • アレルギー性結膜疾患(ACD)は、Ⅰ型アレルギー反応を主体とした結膜の炎症性疾患であり、抗原によって惹起される自覚症状や他覚所見を伴うものと定義されます。
  • ACDは、結膜の増殖性変化の有無などにより、アレルギー性結膜炎(AC)、アトピー角結膜炎(AKC)、春季カタル(VKC)、巨大乳頭結膜炎(GPC)に分類されます。
  • ACは非増殖性で、季節性の季節性アレルギー性結膜炎(SAC)と、通年性の通年性アレルギー性結膜炎(PAC)に分けられます。
  • AKCは顔面にアトピー性皮膚炎を伴う患者に起こる慢性のACDです。
  • VKCは増殖性のACDで、多彩な角膜病変を伴うことがあります。
  • GPCはコンタクトレンズや義眼などによる機械的刺激とアレルギー性炎症が関与する増殖性の結膜炎です。
  • 2017年の調査によると、日本におけるACDの有病率は48.7%と報告されています。疾患別の内訳は、スギ・ヒノキによるSACが37.4%、PACが14.0%、スギ・ヒノキ以外の原因によるSACが8.0%、AKCが5.3%、VKCが1.2%、GPCが0.6%でした。
  • 代表的な自覚症状として、眼の痒み、異物感、眼脂、流涙などが挙げられます。
  • 代表的な他覚所見として、結膜充血、結膜腫脹、結膜乳頭・巨大乳頭、結膜浮腫、Trantas斑、角膜合併症などが挙げられます。
  • 治療は薬物療法が中心となります。第一選択薬は抗アレルギー薬であり、重症度に応じてステロイド点眼薬が用いられます。難治性の重症例には免疫抑制点眼薬の使用も検討されます。

推奨

  • 季節性アレルギー性結膜炎(SAC)および通年性アレルギー性結膜炎(PAC)の治療では、抗アレルギー点眼薬が第一選択として推奨されます。効果が不十分な場合や重症例には、ステロイド点眼薬の併用が推奨されます。
  • SAC(花粉症)に対しては、花粉飛散予測日の約2週前から、あるいは症状が少しでも現れた時点から抗アレルギー点眼薬の投与を開始する初期療法が推奨されます。
  • 春季カタル(VKC)の治療では、抗アレルギー点眼薬で効果不十分な中等症以上の症例に対して、免疫抑制点眼薬(シクロスポリン、タクロリムス)の追加投与が推奨されます。重症例には、さらにステロイド点眼薬を追加併用することが推奨されます。