摂食および嚥下の支援

概要・推奨

概要

  • 嚥下障害は、食事摂取不良によるフレイルや誤嚥性肺炎、窒息など多くの問題の原因となりうるため、適切な対応が重要です。
  • 嚥下機能はQOLに直結し、生命維持にも関わる重要な機能です。
  • 嚥下障害は小児から高齢者まであらゆる年齢層で見られますが、特に高齢者においては頻度の多さと重篤さから、老年症候群の一つと考えられています。
  • 高齢者では、生理的な嚥下機能の低下に加えて、様々な基礎疾患が重なることで嚥下障害が重篤化し、その結果、栄養障害や脱水、誤嚥性肺炎をきたして生命予後に影響することがあります。
  • 嚥下障害は、病院入院中の患者の36.5%、リハビリテーション施設の患者の42.5%、介護施設入所者の50.2%と高頻度に認められると報告されています。
  • 嚥下障害の原因や病態は多岐にわたり、患者の状態もさまざまであるため、適切な対応には多職種連携やチーム医療が重要となります。

推奨

  • 嚥下障害が疑われるものの、ただちに嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)を行えない場合には、簡易検査を行うことを勧めます。特に脳卒中急性期では、早期発見により肺炎発症率や死亡率の低減、入院期間の短縮が期待されます。
  • 嚥下内視鏡検査は、誤嚥や咽頭残留などの評価において嚥下造影検査に匹敵する検出力を有するため、治療法の選択に有用であり、実施することが強く推奨されます。ただし、内視鏡挿入による違和感や誤嚥の検出精度の問題も考慮して実施し、なり得ます。
  • 舌圧測定は、単独で嚥下障害を予測できる高いエビデンスはいまだありませんが、侵襲性がなくベッドサイドでも施行できるため、嚥下機能の一つの指標としてなり得ます。最大舌圧値は嚥下障害と相関することが報告されています。