サルコイドーシス(眼科)

概要・推奨

概要

  • サルコイドーシスの眼病変は、わが国では肺病変に次いで多く、50%から79%程度の頻度でみられますが、海外では10%台から30%程度と大きな人種差が存在します。
  • わが国の眼病変の年齢分布は、女性では20歳から29歳と60歳から80歳、男性では20歳から29歳と60歳から70歳の二峰性を示します。
  • 主な眼病変はぶどう膜炎であり、わが国ではサルコイドーシスは同定可能なぶどう膜炎の中で最も多い原因疾患です。
  • 病型は、日本人では汎ぶどう膜炎を呈することが多いですが、海外では前部ぶどう膜炎や中間部ぶどう膜炎が多い傾向があります。
  • 自覚症状としては、霧視、視力低下、飛蚊症、充血、眼痛、羞明などがみられます。
  • 特徴的な臨床所見として、肉芽腫性前部ぶどう膜炎(豚脂様角膜後面沈着物、虹彩結節)、隅角結節やテント状周辺虹彩前癒着、塊状硝子体混濁(雪玉状、数珠状)、網膜血管周囲炎、蝋様網脈絡膜滲出斑、視神経乳頭肉芽腫、脈絡膜肉芽腫などが挙げられます。
  • 炎症が長期にわたると、併発白内障、続発緑内障、黄斑部病変(嚢胞様黄斑浮腫、網膜前膜)、網膜新生血管の破綻による網膜硝子体出血などの合併症を来すことがあります。
  • 視機能予後は概して良好ですが、一部の症例では炎症が重症化、難治化し、特に続発緑内障と黄斑変性は視機能予後不良に関与すると報告されています。

推奨

  • 治療は、不可逆的な眼組織障害および視覚障害の発生を防止することを目的とし、原則として活動性のあるぶどう膜炎所見が存在する場合に適応となります。
  • 前眼部に限局した軽度の炎症では、点眼ステロイド薬および散瞳点眼薬による局所療法が推奨されます。
  • 重篤な前眼部炎症、高度の硝子体混濁、広範な滲出性網脈絡膜炎、網膜血管炎、黄斑浮腫、視神経乳頭炎・肉芽腫など、視機能障害の恐れがある活動性病変に対しては、局所療法に加えて経口ステロイド薬またはトリアムシノロン後部テノン嚢下注射(STTA)が推奨されます。