ガストリノーマ
概要・推奨
概要
- ガストリンというホルモンを過剰に産生する神経内分泌腫瘍です。
- 主な症状は胃酸の過剰分泌による消化性潰瘍や逆流性食道炎に伴う腹痛、出血、胸やけ、および膵酵素が不活性化されることによる下痢や脂肪便です
- 消化性潰瘍は、治りにくく再発しやすい特徴があり、多発したり、十二指腸下行脚より遠位の部位にできたり、穿孔をきたしたりすることもあります。
- 胃酸の過剰分泌により、9割以上の患者に消化性潰瘍がみられます。
- 腫瘍の多くは十二指腸または膵臓に発生し、十二指腸ガストリノーマの方が膵ガストリノーマより頻度が高いです。
- ガストリノーマの16〜25%は多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)に合併し、その場合は腫瘍が多発する傾向があります。
推奨
- 難治性・再発性の消化性潰瘍や、原因不明の下痢がみられる場合には、ガストリノーマを疑うことが推奨されます。
- 診断のためには、空腹時血清ガストリン値の高値と、胃酸の過剰分泌(胃液pH測定または24時間胃内pHモニタリング)の両方を確認することが必須です。PPI中止時に潰瘍再燃のリスクがある場合はH2受容体拮抗薬を投与し、測定の48時間前に中止して測定する必要があります。
- 空腹時血清ガストリン値が1,000pg/mL以上の場合、ガストリノーマが強く疑われます。鑑別診断のためにカルシウム静注試験が有用です。