羊水塞栓症
概要・推奨
概要
- 羊水塞栓症は、急激に発症・悪化し、妊産婦死亡を起こしうる合併症の一つです。
- 病態は、母体血中に流入した羊水および胎児成分に対するアナフィラキシー様の反応であると考えられています。
- 典型的な症状として、破水後や分娩後の心肺虚脱(血圧低下や呼吸困難)を主体とするものと、分娩直後の非凝固性の多量出血から始まる播種性血管内凝固(DIC)を主体とするものがあります。
- DICを主体とする病型では、早期からフィブリノゲンが150mg/dL未満になるなど凝固因子が枯渇し、止血困難な子宮出血が持続します。
- 人工羊水注入との直接的な因果関係は証明されていませんが、重篤な母体合併症として低頻度で続発することが報告されています。
推奨
- 破水後や分娩後の心肺虚脱(血圧低下や呼吸困難)、あるいは凝血塊を形成しない止血困難な子宮出血を認めた場合、羊水塞栓症を疑うことが考慮されます。
- 人工羊水注入を実施するにあたっては、重篤な母体合併症として羊水塞栓症が低頻度で続発することが報告されていることを説明することが勧められます。
- 急激に発症・悪化し、妊産婦死亡を起こしうる合併症の一つとして、羊水塞栓症を常に念頭に置くことが考慮されます。