原発不明癌
概要・推奨
概要
- 原発不明がんは、十分な医学的検索を行っても原発巣を特定できない、転移性の悪性腫瘍です。
- 原発不明がんは、単一の疾患ではなく、多種多様ながん種を含んでいます。
- 診断は、まず転移巣の細胞組織検査により悪性腫瘍であることを確定します。その上で、詳細な病歴聴取、身体所見、血液検査、画像検査、病理組織学的検査(免疫組織化学検査などを含む)によって原発巣を検索します。
- 一連の検索によって、悪性リンパ腫、肉腫、胚細胞腫瘍、悪性黒色腫、前立腺がん、乳がんなど、原発巣が同定された症例は原発不明がんから除外されます。
- 原発不明がんは、特異な臨床像や病理組織学的所見などから、特定の治療法があり長期生存が期待できる「予後良好群」と、それ以外の「予後不良群」に大別されます。
- 診療においては、この予後良好群を的確に同定し、それぞれの疾患に応じた適切な治療を行うことが特に重要です。
推奨
- 詳細な病歴聴取、身体所見、血液生化学検査、画像検査、病理組織学的検査に加えて、特殊な免疫組織化学検査や遺伝子・染色体検査などを行うことにより、治療の適応となる予後良好群を的確に診断することが推奨されます。
- 50歳未満の男性で、病変が体の中心線上に分布する低・未分化がんの場合、胚細胞腫瘍や悪性リンパ腫を含む造血器腫瘍の検索を十分に行うことが推奨されます。免疫組織化学検査などで胚細胞腫瘍であることが示唆される場合には、胚細胞腫瘍に準じてシスプラチンを含む化学療法を行うことが推奨されます。
- 予後不良群と考えられる原発不明がん患者に対し、1次化学療法としてプラチナ製剤を含む併用療法を行うことが推奨されます。