中咽頭悪性腫瘍
概要・推奨
概要
- 中咽頭癌の発がんの原因として、飲酒・喫煙のほかにヒト乳頭腫ウイルス(HPV)が関与しています。
- HPV関連中咽頭癌は、HPV非関連癌に比して予後が良好です。
- HPV関連(p16陽性)中咽頭癌とHPV非関連(p16陰性)中咽頭癌は、別の疾患として扱われ、HPV関連癌は従来よりも早期の病期に分類されます。
- 本邦の中咽頭癌の約50%がHPV関連であり、そのうち90%はHPV16型が原因であることが報告されています。
- 確立された罹患因子としては喫煙、飲酒、HPV感染が挙げられます。
- 日本における中咽頭癌の罹患率は増加傾向にあると報告されています。
- 治療においては、生命予後とともに機能の温存が重要です。
推奨
- 診断では、頭頸部全域の視診・触診に加え、狭帯域光観察(NBI)を併用した咽喉頭内視鏡による観察を基本とし、画像診断として頸部超音波検査、頭頸部造影CT、頭頸部造影MRI、PET-CTが考慮されます。
- p16免疫染色はHPV関連性の代用マーカーとして用い、病期分類(p16陽性/陰性で別TNM)に必要となります。判定基準(例:強陽性が腫瘍細胞の一定割合以上)を明記し、p16検査が未実施の場合はp16陰性として取り扱います。
- T1、T2症例に対しては、放射線単独治療や経口的切除術が推奨されます。経口的切除術は有用ですが、放射線治療や化学放射線療法との比較に関する長期的なデータが限定的であるため、患者ごとに適応を慎重に評価することが推奨されます。