腰部脊柱管狭窄症
概要・推奨
概要
- 腰部脊柱管狭窄症は、腰椎部の脊柱管あるいは椎間孔が狭くなることで神経組織や血流が障害され、症状を呈する状態ですが、その定義について完全な合意は得られていません。
- 中高齢者で、殿部から下肢にかけての痛みやしびれが立位や歩行によって出現・増悪し、前屈や座位で軽減するのが典型的な症状です。
- 診断は臨床症状を最も優先すべきであり、MRIなどの画像検査は補助診断として用いられますが、画像所見と症状は必ずしも一致しません。
- 軽度から中等症の患者の約半数は、長期的にみて手術をせずとも経過は良好ですが、手術が必要とされる重症例の自然経過は明らかではありません。
- 評価指標としては、疾患特異的な質問票であるチューリッヒ跛行質問票(ZCQ)や、一般的な腰痛評価質問票である日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)、Oswestry Disability Index(ODI)などが用いられます。
- 手術治療は、神経の圧迫を取り除く「除圧術」と、背骨を安定させる「固定術」に大別されます。近年では、体への負担が少ない様々な低侵襲手術も行われています。
- 術前の安静時しびれ、糖尿病、長期の罹病期間、うつ状態などは、手術後の成績に影響を与える可能性があります。
推奨
- 初期治療としては保存治療が推奨されます。薬物治療としては、リマプロストは馬尾型・混合型の患者に、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は神経根型・腰痛を有する患者への短期投与が提案されます。
- 専門家の指導下で行う運動療法が提案されます。痛みの軽減、身体機能、ADL、QOLの改善において、自己トレーニングよりも有効であるとされます。
- ブロック療法は、短期間の疼痛軽減やQOL改善に有用であるため、行うことが提案されます。ステロイドの併用は短期的な効果をさらに高めますが、長期的には効果が消失するため、短期間にとどめることが提案されます。