片頭痛
概要・推奨
概要
- 片頭痛は、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)に準拠して分類・診断されます。主な病型には「前兆のない片頭痛」「前兆のある片頭痛」「慢性片頭痛」があります。
- 前兆とは、通常5分から60分持続し、頭痛が起こる前に生じる、完全に可逆性の視覚症状、感覚症状、言語症状などの中枢神経症状です。
- わが国における片頭痛の年間有病率は8.4%で、特に20歳代から40歳代の女性で高いことが知られています。
- 片頭痛は日常生活への支障が非常に大きい疾患であり、世界の疾病負担研究において、障害とともに生きる年数が増加する疾患の第2位に位置づけられています。
- 病態については、前兆には大脳皮質に拡がる神経活動の抑制現象である皮質拡延性抑制(CSD)が、頭痛発作には三叉神経血管系の活性化が関与すると考えられています。その際、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)などの神経ペプチドが重要な役割を果たしています。
- 治療は、頭痛発作時の症状を和らげる急性期治療と、発作そのものを起こりにくくする予防療法に分けられます。
- 急性期治療では、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、トリプタン製剤、制吐薬などが用いられ、頭痛の重症度に応じた層別治療が推奨されます。
- 予防療法は、片頭痛発作の頻度が多い、あるいは生活への支障が大きい場合に行われます。予防薬には、β遮断薬、Ca拮抗薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、CGRP関連薬剤などがあります。
推奨
- 片頭痛の分類・診断は、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)に準拠して行うことが勧められます。
- 急性期治療は、頭痛の重症度に応じた層別治療が推奨されます。軽度から中等度の頭痛には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を、中等度から重度の頭痛やNSAIDsが無効な場合にはトリプタン製剤を使用することが推奨されます。
- 急性期治療薬は、頭痛発作のできるだけ早い段階で使用することが効果的です。