院内肺炎
概要・推奨
概要
- 院内肺炎(HAP)は、入院後48時間以上経過してから発症した肺炎のことです。
- 気管内挿管・人工呼吸器管理開始後48時間以降に新たに発症した肺炎は、人工呼吸器関連肺炎(VAP)と呼ばれます。
- 症状は発熱、咳嗽、喀痰、呼吸困難感などですが、高齢、基礎疾患、医療的処置や投薬の影響で典型的な症状が出現しない可能性もあります。
- 院内肺炎は高度医療の結果として栄養不良や衰弱、全身状態の悪化に伴うことが多く、院内環境に生息する薬剤耐性菌が原因となることが多いです。
- 日本における院内肺炎単独の30日以内死亡率は13.6%、院内肺炎と人工呼吸器関連肺炎を合わせた30日以内死亡率は12.4%と報告されています。米国からの報告では約15~20%です。
- 日本における検出微生物は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が12.9%と最も多く、次いで緑膿菌が11.3%、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)が7.6%と続きます。
推奨
- 院内肺炎の治療は、敗血症性ショックの有無、重症度、耐性菌のリスクによって、狭域抗菌薬、広域抗菌薬(単剤)、広域抗菌薬(多剤)のいずれで治療を開始するかを決定します。
- 診断時には、I-ROADスコアによる重症度評価を行うことが推奨されます。
- 重症度が低く、かつ耐性菌リスクが低い場合は、狭域抗菌薬による初期治療が推奨されます。