乾癬性関節炎
概要・推奨
概要
- 乾癬性関節炎(PsA)は、乾癬に関節の腫れや痛みといった症状を合併した慢性炎症性疾患です。
- 診断や治療が遅れると、不可逆的な関節の変形や破壊をもたらし、患者のQOLを著しく損なうため、早期の診断と治療が必要です。
- PsAの臨床症状は多彩で診断が難しく、腱や靭帯が骨に付着する部位に炎症が生じる「付着部炎」が病態の中心であることが特徴です。
- 関節リウマチ(RA)ではほとんど見られない、脊椎炎や仙腸関節炎、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎などを合併することがあります。
- 日本におけるPsAの有病率は、乾癬患者の14~15%と報告されています。
- 臨床症状は、侵される関節の範囲、程度、経過が非常に多様で、指趾などの末梢関節から脊柱まであらゆる関節が罹患する可能性があります。
- 朝に関節のこわばりが顕著で運動によって軽快する、夜間の痛みで目覚める、といった症状がみられることが多いです。
- 多くの患者(約72-83%)では皮膚症状が関節症状に先行しますが、関節症状が重症でも皮膚症状は軽度な場合もあります。
- 診断は、臨床症状、皮膚・爪所見、画像所見などを総合的に評価し、CASPAR分類基準を参考に鑑別診断を行って確定します。
- 予後は、多くの場合で関節の変形が徐々に進行するため、早期に診断して治療を開始することが、予後を改善する可能性があります。
推奨
- PsAの治療目的は、関節の症状を緩和・消失させ、身体機能障害を改善し、QOLを向上させることです。また、不可逆的な関節の破壊や変形を予防し、進行させないことが重要です。
- 治療目標として、寛解または最小疾患活動性(MDA)や低疾患活動性(LDA)の達成を目指すTreat to target(T2T)が推奨されます。
- 薬物療法が治療の主体となりますが、禁煙、体重管理、運動療法、作業療法、患者教育といった非薬物療法も並行して行うことが推奨されます。