慢性炎症性脱髄性多発神経炎

概要・推奨

概要

  • 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)は、8週間以上の経過で進行する、あるいは再発・寛解をきたす四肢筋力低下と感覚障害を主徴とする免疫介在性脱髄性末梢神経障害です。
  • 中心をなす臨床病型は、典型的CIDPと称され、左右対称性多発ニューロパチーで近位筋が遠位筋と同様におかされるという大きな特徴を持ちます。
  • その他の病型として遠位型(distal)、多巣性(multifocal/focal)、純粋運動(motor)または感覚型(sensory)の病型がCIDPバリアントとして広義のCIDPに含まれています。これらの病型は治療反応性が異なることがあり、病型の正確な把握が重要です。
  • CIDPの類縁疾患として、ランビエ絞輪・傍絞輪部蛋白(neurofascin-155、contactin-1など)に対する自己抗体を伴う自己免疫性ノドパチーがあり、若年発症、振戦、免疫グロブリン静注療法への抵抗性を特徴とします。これらは臨床的にCIDPと類似しますが、治療法が異なるため鑑別が重要です。
  • CIDPは臨床像が多彩であり、糖尿病性ニューロパチー、遺伝性ニューロパチー(Charcot-Marie-Tooth病など)、POEMS症候群、アミロイドーシス、運動ニューロン疾患など、多くの疾患との鑑別が必要です。

推奨

  • CIDPが疑われる場合は、神経伝導検査を行うことが強く推奨されます。脱髄を示唆する所見(遠位潜時延長、伝導速度低下、F波延長・消失、伝導ブロック、時間的分散、遠位CMAP持続時間延長)の証明が診断に必須です。
  • CIDPの第一選択治療として、免疫グロブリン静注療法(IVIg)または副腎皮質ステロイド薬を使用することが推奨されます。第二選択治療として血漿浄化療法を行うことが推奨されます。また、近年FcRn阻害薬(エフガルチギモド)の皮下注射が適応となりました。
  • CIDPの治療において、副腎皮質ステロイド薬を使用することが推奨されます。効果発現には1-3ヶ月を要しますが、長期的な寛解維持が期待できます。