成人の予防接種
概要・推奨
概要
- 予防接種は、感染症の発症予防、重症化予防、および感染症のまん延防止を目的として行われます。
- 成人における予防接種は、個人の健康を守るだけでなく、特に医療関係者においては患者や同僚への感染拡大を防ぎ、医療提供体制を維持する上で極めて重要です。
- 医療関係者が接種を考慮すべき主なワクチンには、B型肝炎、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、水痘、インフルエンザ、髄膜炎菌感染症、破傷風、百日せき、帯状疱疹、新型コロナウイルス感染症などがあります。
- B型肝炎: 血液だけでなく、性的接触や、家庭内でのカミソリ・歯ブラシの共有などでも感染する可能性があります。放置すると慢性肝炎から肝硬変、さらには肝がんへ進行するリスクがあります。
- 麻疹・風疹: 感染力が非常に強く、大人になってかかると重症化しやすいのが特徴です。特に風疹は、妊娠中の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんの目、耳、心臓などに障害(先天性風疹症候群)が出る恐れがあるため、周囲の人が免疫を持つことが不可欠です。
- 流行性耳下腺炎: 大人がかかると、難聴や精巣炎などの合併症を引き起こすリスクがあります。
- 水痘: 大人での感染は子供よりも重症化しやすく、肺炎や脳炎を合併して命に関わる危険もあります。
- 百日せき: 大人は軽い咳で済むことが多いですが、気づかないうちにワクチンを打てない乳児にうつしてしまうと、その赤ちゃんが重症化したり命を落としたりする危険があります。
- 破傷風: 土の中にいる菌が、ちょっとした傷口から入ることで発症します。1968年(昭和43年)以前に生まれた世代はワクチンの定期接種がなかったため、免疫を持っていない可能性が高く注意が必要です。
- 髄膜炎菌感染症: 寮生活や海外渡航などで密集した環境にいる場合にリスクが高まり、発症すると急速に進行して死に至ることもある恐ろしい病気です。
- 帯状疱疹: 過去にかかった水ぼうそうのウイルスが、加齢や免疫低下で再活性化して起こります。50歳以上で急増し、治った後も長期間激しい痛みが残る場合があります。
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19): ウイルスは変異を繰り返しており、重症化予防だけでなく、罹患後症状(後遺症)のリスクを減らすためにもワクチン接種が有効とされています
推奨
- B型肝炎: 免疫がない場合(HBs抗体が10mIU/mL未満)、合計3回の接種(1回目、1ヶ月後、6ヶ月後)が推奨されます。
- 麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘: 1歳以降に2回の接種記録があるかを確認してください。記録がない、または罹ったことが確実でない場合は、2回の接種(または検査で免疫確認)が推奨されます。ただし、4回以上の接種は必要ありません。
- インフルエンザ: 流行シーズン(12月~3月)に備え、12月中旬までに毎年1回の接種を受けることが望ましいです。