巣状分節性糸球体硬化症

概要・推奨

概要

  • 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は、一部の糸球体の一部分に硬化を認めるという病理形態学的な診断名です。
  • 病理学的には、採取された糸球体の50%以下に分節性硬化が認められます。病理形態的に5つの亜型に分類され、予後が異なるとされています。
  • 臨床的には、急性の乏尿・浮腫・体重増加などで発症することが多く、MCNSと比較して、低選択性蛋白尿、顕微鏡的血尿、高血圧がみられる頻度が高く、ステロイド抵抗性の経過をとることが多いです。
  • 一次性FSGSは、微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)と類似の発症様式や臨床像をとりますが、しばしばステロイドに抵抗性を示し、末期腎不全に至ることがある難治性ネフローゼ症候群の代表的な疾患です。
  • 一次性FSGSの病因は不明な点が多いですが、T細胞の機能異常や、糸球体係蹄の蛋白透過性を亢進させる液性因子が関与している可能性が指摘されています。
  • 日本の腎生検レジストリーの解析では、一次性ネフローゼ症候群のうち10.5%をFSGSが占めていました。
  • 二次性FSGSでは、ウイルス、薬剤、悪性腫瘍、構造的・機能的な適応反応などが原因となり得ます。

推奨

  • ネフローゼ症候群を呈するFSGSの初期治療として、経口プレドニゾロンが推奨されます。蛋白尿が重症な場合や、全身の浮腫が著明な例ではステロイドパルス療法も考慮されます。
  • 4週間以上のステロイド治療で寛解に至らないステロイド抵抗性の患者に対して、ステロイドにシクロスポリンを併用することが提案されます。
  • ステロイド抵抗性の患者に対して、ミコフェノール酸モフェチルおよび高用量デキサメタゾンを併用することも考慮されます。ただし、日本では一次性FSGSに対して保険適用はありません。