TFCC損傷
概要・推奨
概要
- TFCC(三角線維軟骨複合体)は、手関節の尺側(小指側)に位置し、関節円板、メニスカス類似体、掌尺側・背尺側橈尺靱帯、尺側側副靱帯、尺骨月状骨靭帯、尺骨三角骨靱帯、尺側手根伸筋腱腱鞘床などで構成される軟部組織の複合体です。
- 遠位橈尺関節を安定させ、手関節の円滑な動きを可能にし、手首にかかる衝撃を吸収するクッションとしての重要な役割を担っています。
- 損傷の原因は、転倒して手をつくなどの外傷によって生じる外傷性損傷と、加齢や手首の反復的な使用によって生じる変性損傷に大別されます。
- 主な症状は、手関節尺側の痛みや腫れ、前腕の回旋時痛、クリック音(轢音)、可動域制限、握力低下などです。特にドアノブを回す、タオルを絞るなどの手首を捻る動作で痛みが増強することが特徴的です。
推奨
- TFCC損傷が疑われる患者の診断において、受傷機転や症状の詳細な問診と、圧痛点の確認や誘発テストなどの系統的な身体診察を行うことが推奨されます。
- 初期評価として、骨折の除外や尺骨変異(ulnar variance)の評価のために、手関節の単純X線撮影を行うことが推奨されます。
- TFCCの形態を評価し、損傷の有無や程度を診断するために、造影剤の有無によらずMRI検査の施行が推奨されます。