脊柱側弯症

概要・推奨

概要

  • 脊柱側弯症は、脊柱が側方へ弯曲するとともに、椎体の回旋を伴う三次元的な変形を呈する疾患です。
  • 原因により分類され、その大部分(70〜90%)は原因不明の特発性側弯症です。その他、椎骨の形態異常による先天性側弯症や、他の疾患に伴う症候性側弯症などがあります。
  • 特発性側弯症は発症年齢により、乳幼児期(3歳未満)、学童期(3歳〜10歳未満)、思春期(10歳以上)に分類されます。
  • 思春期特発性側弯症の発生率は約2〜3%で、女児に多くみられます。
  • 小児期は疼痛などの自覚症状に乏しく、肩の高さの左右差、肩甲骨の突出、ウエストラインの非対称、前屈した際の肋骨や腰部の隆起(hump)といった外見上の異常をきっかけに発見されることがほとんどです。
  • 進行性の変形であり、一般的に発症年齢が低いほど、またカーブの角度(Cobb角)が大きいほど進行しやすい傾向があります。
  • 骨成熟後も、胸椎カーブが50°以上、胸腰椎・腰椎カーブが30〜40°以上の場合、年間0.5〜1°程度の緩徐な進行がみられることがあります。
  • 高度に進行した胸椎側弯は、胸郭の変形と可動性低下を引き起こし、肺活量の減少など拘束性換気障害の原因となります。80°以上のカーブでは呼吸機能障害のリスクが、100°以上では肺性心や右心不全のリスクが増加します。
  • 胸腰椎・腰椎カーブは、成人期以降の腰痛の原因となることがあります。

推奨

  • 学校検診などによる早期発見が推奨されます。視診では前屈試験が重要です。
  • 診断と重症度評価には、全脊柱立位X線撮影とCobb法による角度計測が必須です。骨成熟の評価にはRisser signが用いられます。
  • 神経学的異常、非典型的なカーブパターン(例:左凸胸椎カーブ)、急激な進行、強い疼痛などを認める場合は、脊髄空洞症やChiari奇形、腫瘍などの脊柱管内病変を鑑別するためMRI検査が推奨されます。