亜急性甲状腺炎
概要・推奨
概要
- 亜急性甲状腺炎は、有痛性の破壊性甲状腺炎による甲状腺中毒症です。
- 肉芽腫性甲状腺炎、あるいはDe Quervain甲状腺炎とも呼ばれます。
- ウイルス感染との関連が示唆されており、ヒト白血球抗原(HLA)-B35と強く関連します。
- 上気道感染様の症状が先行することが多く、発熱や圧痛を伴う硬い甲状腺腫で発症します。
- 急性期には甲状腺組織の破壊により甲状腺ホルモンが血中に漏出し、甲状腺中毒症をきたします。
- 疼痛はしばしば片側から反対側へ移動します(クリーピング現象)。
- 回復期には一過性の甲状腺機能低下症になることが多く、5〜15% の症例では永続的な甲状腺機能低下症に移行します。
- 30歳代から50歳代の女性に好発する疾患です。
- 自然に治癒する疾患ですが、10〜20%の症例で再燃がみられ、1〜4%の症例で再発することが報告されています。
推奨
- 亜急性甲状腺炎の診断は、有痛性の甲状腺腫、炎症反応(CRPまたは赤血球沈降速度)の高値、甲状腺ホルモン高値とTSH低値、甲状腺超音波検査での疼痛部に一致した血流の乏しい境界不明瞭な低エコー域といった所見を総合して行うことが推奨されます。
- 診断にあたっては、橋本病の急性増悪、嚢胞への出血、急性化膿性甲状腺炎、未分化癌など他の有痛性甲状腺疾患との鑑別が重要です。また、痛みが軽度な場合は触診上乳頭癌と類似することがあるため注意を要します
- 治療は症状の重症度に応じて決定されます。症状が軽微な場合は経過観察のみで自然軽快することがあります。