肋骨骨折

概要・推奨

概要

  • 肋骨骨折は外傷の中でも頻度が高い損傷であり、日本外傷データバンク(JTDB)の報告では、胸部損傷のなかで多発肋骨骨折の頻度がもっとも高いとされています。
  • 高齢者は加齢による胸壁の変化や骨密度低下のため、転倒などの比較的軽微な外力でも肋骨骨折を生じるリスクが高いとされています。
  • 骨折による疼痛は呼吸運動を妨げ、効果的な咳嗽を困難にすることで無気肺や肺炎を引き起こすことがあります。とくに高齢者ではこれらの呼吸器合併症を高頻度にきたします。
  • 複数の隣接する肋骨が2カ所以上で骨折し、胸壁の一部が通常の呼吸運動から遊離して動揺する状態をフレイルチェストといいます。フレイルチェストでは、しばしば肺挫傷を伴い、重篤な呼吸不全に陥ることがあります。
  • 肋骨骨折の本数が多いほど死亡のリスクが上昇するとされています。

推奨

  • 肋骨骨折の治療は、疼痛管理と気道浄化による呼吸機能の維持が主な目的となります。
  • 鎮痛の方法には経口内服薬、注射薬、持続硬膜外ブロックなどの局所麻酔があります。
  • 十分な鎮痛を行っても換気や酸素化の改善が得られない場合は、気管挿管と人工呼吸管理への移行を躊躇しないことが推奨されます。