ケロイド、肥厚性瘢痕、術後の傷跡
概要・推奨
概要
- 肥厚性瘢痕は、もとの傷の範囲を超えずに隆起する瘢痕で、時間経過とともに自然に改善する傾向があります。
- ケロイドは、もとの傷の範囲を超えて周囲の正常皮膚へと拡大していき、自然に改善することは稀です。
- 実際には両者の中間的な病変も多く存在し、典型的なものを除いて外観だけで明確に区別することは困難な場合があります。
- 肥厚性瘢痕とケロイドは、創傷治癒過程における炎症の強さや持続時間の違いに起因する、同一線上にある病態である可能性が考えられています。
- 両者を明確に区別するバイオマーカーは、まだ発見されていません。
- ケロイドの発症には人種による違いや遺伝的な要因が関与することが知られています。
- 妊娠、高血圧、血中の炎症性サイトカインの増加などによって症状が悪化することがあります。
- 皮膚に張力がかかる部位(前胸部、肩、上腕、肩甲部、恥骨上部など)に好発し、張力のかかる方向に増大する傾向があります。肉体労働者やスポーツ選手などでは難治となる傾向があります。
推奨
- ステロイド薬の局所注射(トリアムシノロンアセトニドなど)は、ケロイドおよび肥厚性瘢痕の治療に推奨されます。
- ステロイド薬を含有するテープ剤の貼付は、ケロイドおよび肥厚性瘢痕の症状改善に有効です。
- トラニラストの内服は、ケロイドおよび肥厚性瘢痕の自覚症状(疼痛、掻痒など)の改善や、術後の再発予防に推奨されます。