C型肝炎
概要・推奨
概要
- C型肝炎ウイルス(HCV)は1989年に発見され、それまで非A非B型肝炎と診断されていた症例の90%以上がHCVによるものであることが明らかになりました。
- 現在、HCVキャリアは全世界で5800万人、わが国では90万~130万人存在すると推定されています。
- HCVに感染すると、約70%が慢性肝炎へと移行します。慢性化した場合、ウイルスの自然排除は年率0.2%とまれであり、肝線維化が進行し、肝硬変や肝細胞癌へと進展します。
- C型肝炎治療の目標は、肝発癌や肝疾患関連死を抑止することにあり、そのために抗ウイルス治療によるHCVの排除を目指します。
- 抗ウイルス治療によって血中HCV RNAの持続的陰性化(SVR)が得られた後も、肝発癌のリスクは完全には消失しないため、長期的なフォローアップが必要です。特に高齢で線維化が進行した症例では、厳重な注意が求められます。
- C型肝炎治療は、インターフェロン(IFN)療法から始まり、直接型抗ウイルス薬(DAA)の登場により大きく進歩しました。2014年以降、IFNフリーDAA治療が主流となり、SVR率は95%以上に向上し、副作用も軽減されました。
- 現在では、ゲノタイプ1~6型のすべてに有効なパンジェノ型製剤も登場し、非肝硬変症例では治療期間が8週間に短縮されるなど、治療選択肢が拡大しています。また、非代償性肝硬変も治療対象となりました。
- 現在では、非代償性肝硬変を含むすべてのC型肝炎症例が原則として抗ウイルス治療の対象とされます。なかでも、ALT値が上昇している症例(30 U/L超)や血小板数が低下している症例(15万/μL未満)、線維化進展例や高齢者では、肝発癌リスクが高いため、治療導入の優先度が高いと考えられます。
- 高齢者、線維化進展例、男性は肝発癌の高リスク群であり、可及的速やかな治療導入が望まれます。低リスク群であっても、近年のDAA製剤の高い有効性と安全性を考慮し、早期の治療導入が図られるべきです。
推奨
- C型肝炎治療の目標は、肝発癌ならびに肝疾患関連死を抑止することにあります。この目標を達成するため、抗ウイルス治療によってHCVを排除することが推奨されます。
- 抗ウイルス治療によってHCVが排除された後も、長期予後改善のため肝発癌に対するフォローアップを行う必要があります。特に高齢かつ線維化が進行した高発癌リスク群では、厳重な注意が推奨されます。
- 非代償性肝硬変を含むすべてのC型肝炎症例が抗ウイルス治療の対象となり、年齢、ALT値、血小板数にかかわらず、すべてのC型肝炎症例に対して抗ウイルス治療を検討することが推奨されます。