好酸球性食道炎

概要・推奨

概要

  • 好酸球性食道炎は、アレルギー反応が主と考えられる一次性の好酸球性消化管疾患の一つで、食道に限局して好酸球性の炎症が起こる疾患です。
  • 消化管組織への好酸球の異常な集積により組織が傷害され、嚥下困難や食物のつかえ感などの機能不全をきたします。
  • 以前はプロトンポンプ阻害薬(PPI)に良好な反応を示すものはPPI反応性食道好酸球増多症(PPI-REE)として区別されていましたが、近年の国際的なコンセンサスでは好酸球性食道炎に包含されることになりました。
  • 男性に多く、近年、欧米を中心に患者数が増加しており、日本でも増加傾向にあります。欧米での有病率は10万人あたり50-100人と報告されていますが、日本の健診内視鏡検査における有病率は0.4%と報告されており、欧米よりは低い状況です。
  • 成人の主な症状は食物のつかえ感ですが、小児では哺乳障害、嘔吐、腹痛など年齢によって症状が異なります。
  • 診断は、臨床症状に加えて、内視鏡検査で認められる縦走溝、輪状の溝、白色の滲出物などの特徴的な所見、および食道上皮内への好酸球浸潤が1視野あたり15個以上であることを確認して行われます。
  • 慢性的な経過をたどり、適切な治療が行われない場合、食道の線維化が進行して狭窄をきたすリスクがあります。

推奨

  • 治療の目的は、症状を改善してQOL(生活の質)を向上させることと、将来起こりうる食道の線維性狭窄を予防することです。
  • 第一選択の治療として、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用が推奨されます。まずPPIを投与し、その治療反応性を見ることが重要です。
  • PPIで効果が不十分な場合、局所ステロイド療法(吸入ステロイド薬の経口嚥下)が推奨されます。