急性腰痛症(治療含む)
概要・推奨
概要
- 腰痛は、体幹後面の第12肋骨と殿溝下端の間にあり、少なくとも1日以上継続する痛みとして定義されます。下肢への放散痛を伴う場合と伴わない場合があります。
- 発症からの期間によって、急性腰痛(4週間未満)、亜急性腰痛(4週間以上3カ月未満)、慢性腰痛(3カ月以上)に分類されます。
- 腰痛の原因は、重篤な基礎疾患(悪性腫瘍、感染、骨折など)、下肢の神経症状を伴う疾患、そして椎間板や椎間関節などの退行性病変に大別されます。
- 急性腰痛は自然に軽快することが多く、予後は良好ですが、慢性腰痛は予後が不良な傾向があります。
- 回復に対するマイナス思考や破局的思考などの心理社会的因子は、腰痛を長引かせる要因となることが示されています。
- 体重管理、禁煙、節度ある飲酒、定期的な運動といった健康的な生活習慣は、腰痛の予防や予後改善に好ましいとされています。
- 身体的負荷の大きい重労働や、仕事上の心理社会的ストレスは腰痛の発症や予後に関連します。
推奨
- 急性腰痛の治療では、安静にするよりも可能な範囲で活動性を維持することが有用です。ただし、坐骨神経痛を伴う腰痛では、安静と活動性維持に明らかな効果の差はありません。
- 薬物療法は、腰痛の疼痛軽減や機能改善に有用です。急性腰痛には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩薬などが、慢性腰痛にはNSAIDs、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、弱オピオイドなどが推奨されます。
- 慢性腰痛に対して、運動療法は疼痛軽減と機能改善に有用です。