膵癌(診断)
概要・推奨
概要
- 膵癌は予後不良な疾患であり、その改善には早期診断が不可欠です。
- 診断は、リスクファクターの評価、発見法、画像診断、病理診断、病期診断・切除可能性評価に大別されます。
- リスクファクターには、家族歴、遺伝的背景、糖尿病、慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵嚢胞、膵管拡張などがあります。
- 発見の契機として、腹痛や黄疸などの臨床症状のほか、血液検査での膵酵素や腫瘍マーカーの上昇、画像検査での異常所見が重要となります。
- 画像診断では、腹部超音波(US)、造影CT、MRI、超音波内視鏡(EUS)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、FDG-PETなどが用いられます。特に造影CTは、膵癌の存在診断や病期診断において中心的な役割を担います。
- 病理診断のためには、EUSを用いた経消化管的検体採取(EUS-FNA)が一般的に行われます。腫瘤を認めない場合には、ERCPを用いた膵液細胞診が考慮されます。
- 病期診断・切除可能性評価は治療方針の決定に極めて重要であり、CT、MRI、EUS、FDG-PET、審査腹腔鏡などを組み合わせて慎重に行われます。
- 近年では、個別化医療の観点からバイオマーカーや遺伝学的検査の活用も検討されます。
推奨
- 糖尿病患者の新規発症・増悪や、慢性膵炎患者に対して、膵癌の可能性を考慮した精査・経過観察を提案します。
- 膵管内乳頭粘液性腫瘍の患者に対して、併存膵癌の可能性を考慮した精査・経過観察を提案します。
- 膵癌リスクとなる生殖細胞系列遺伝子の病的バリアント保有者や家族性膵癌の近親者に対して、膵癌を考慮した精査・経過観察を提案します。