ぶどう膜炎
概要・推奨
概要
- ぶどう膜炎は、一度発症すると再発を繰り返し、慢性で長引く経過をたどることが多い疾患です。
- 世界におけるぶどう膜炎の年間新規発症患者数は10万人あたり17人から52人、有病率は10万人あたり38人から714人と報告されています。
- 日本における2009年の調査では、最も頻度の高い疾患はサルコイドーシス(10.7%)で、次いでVogt-小柳-原田病(7.0%)、急性前部ぶどう膜炎(6.6%)、強膜炎(6.2%)、ヘルペス性虹彩炎(4.2%)と続いています。
- 疾患の頻度は年代によって変化しており、ベーチェット病は減少傾向に、サルコイドーシスは増加傾向にあります。感染性ぶどう膜炎では、ヘルペスウイルスによる疾患の増加が目立ちます。
- 性別では若干女性に多くみられます。年齢では40代から50代に多くみられますが、疾患によって好発年齢は異なります。
- ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)関連ぶどう膜炎や眼トキソプラズマ症のように、特定の地域で頻度が高くなる疾患も存在します。
推奨
- 眼内の炎症状態は、統一された基準を用いて定量的に判定し、診療録に記載することが重要です。所見のグレーディングには、国際的なコンセンサスが得られているStandardization of Uveitis Nomenclature (SUN) Working Groupの基準を用いることが望ましいです。
- 前部ぶどう膜炎の治療では、前房内に炎症細胞が確認された場合、副腎皮質ステロイド薬の点眼を開始し、虹彩後癒着を防ぐために散瞳薬を併用することが推奨されます。
- 線維素の析出や前房蓄膿を伴う重篤な前眼部炎症に対しては、副腎皮質ステロイド薬の結膜下注射が推奨されます。