唾液腺悪性腫瘍
概要・推奨
概要
- 唾液腺癌の病理組織像は極めて多彩であり、その組織型によって生物学的悪性度が規定されるため、唾液腺癌の病理組織分類は治療方針の決定および予後予測に非常に重要です。
- 比較的頻度の多い組織型の臨床像の特徴として、若年発症では粘表皮癌が多く、腺様嚢胞癌は神経浸潤しやすく、唾液腺導管癌は早期に頸部リンパ節転移や遠隔転移を来しやすいことが挙げられます。
- 以前から存在していた唾液腺腫瘍が急速に増大する場合は多形腺腫由来癌が疑われ、その悪性成分は唾液腺導管癌が多く、広範浸潤型の場合はde novoの唾液腺導管癌と同様に予後不良です。
- 罹患因子に関する報告は少なく、放射線被曝あるいは職業性曝露の影響が示唆されています。また最近では喫煙の影響を示唆する報告がみられ、その影響は組織型によって異なるとされています。
推奨
- 術前の細胞診、組織診、術中迅速病理検査は、良悪性の診断に有用であるため推奨されますが、その診断精度や副損傷を考慮し適応を判断する必要があります。
- 耳下腺癌で術前に顔面神経麻痺を認めず、術中所見より顔面神経温存が可能な場合、必ずしも顔面神経を合併切除する必要はなく、温存が推奨されます。
- 耳下腺癌切除の際に顔面神経切除を行った場合、顔面神経再建は有効です。