頚椎症性脊髄症

概要・推奨

概要

  • 頚椎症性脊髄症は、加齢に伴う頚椎の変化(骨棘や椎間板の膨隆など)により脊髄が圧迫され、麻痺症状が発症する疾患の総称です。生まれつき脊柱管が狭いこと(静的因子)に、頚椎の不安定性(動的因子)などが加わって発症すると考えられています。
  • 50歳以上に多く、男性に多いとされています。治療を必要とする患者の発生頻度は、人口10万人あたり数人程度と報告されています。
  • 主な症状には、手指の巧緻運動障害(箸が使いにくい、ボタンがかけにくいなど)、歩行障害、四肢のしびれなどがあります。
  • 治療は、軽症で進行しない場合は保存療法(薬物療法、装具療法など)が選択されますが、症状が進行する場合や重症例では手術が検討されます。
  • 手術方法には、前方から圧迫を取り除く前方除圧固定術と、後方から脊柱管を広げる椎弓形成術などがあります。

推奨

  • 軽度および中等度の頚椎症性脊髄症に対する保存療法は、症状の進行を遅らせる可能性があるため、行うことが推奨されます。
  • 頚椎症性脊髄症に対する手術において、前方除圧固定術と椎弓形成術のどちらを行うかに関して明確な推奨はできません。ただし、後弯がある症例や前方の圧迫要素が大きい症例では前方法が、主に3椎間以上の多椎間に病変がある症例では椎弓形成術が、より適している可能性があり、症例に応じた術式選択が重要です。
  • 頚椎症性脊髄症に対して前方除圧固定術と後方除圧固定術のどちらを行うかに関して、明確な推奨はできません。ただし、1〜2椎間の病変であれば、前方除圧固定術がより有用である可能性があります。