侵襲性アスペルギルス症
概要・推奨
概要
- 侵襲性アスペルギルス症は、主に空気中に浮遊するアスペルギルス属の胞子を吸入することにより生じる感染症です。
- 免疫機能が低下した宿主では、末梢気道に到達した胞子が菌糸を伸ばして血管に侵入(血管侵襲性)して組織の梗塞や壊死を引き起こします(菌体の肺動脈浸潤による出血性梗塞が本体とされます)。肺が最も多く侵される臓器です。
- 主な危険因子として、好中球減少症、造血幹細胞移植、臓器移植(特に肺移植)、ステロイドや免疫抑制薬の長期使用などが挙げられます。
- 症状は、急性の発熱、呼吸困難、乾性咳嗽、胸痛、喀痰、血痰など非特異的であり、ステロイドの使用により発熱がマスクされることがあります。
- 移植患者における発症率と死亡率は移植の種類により異なり、同種造血幹細胞移植では発症率が平均7%(範囲2.3~11%)で12週後死亡率が40~75%、肺移植では発症率が平均6%(範囲2.4~9%)で12週後死亡率が5~21%と報告されています。
推奨
- 最も確実な診断法(確定診断)は、生検などにより得られた組織から菌糸を証明することです。
- 胸部CT検査は早期診断に有用です。結節影の周囲にすりガラス陰影を認める所見(halo sign)は早期の血管侵襲を示唆しますが、本症に特異的ではありません。
- 血清や気管支肺胞洗浄液(BALF)中のアスペルギルスガラクトマンナン抗原や、血清(1,3)-β-D-グルカンの測定は、診断の補助として有用です。