慢性下痢
概要・推奨
概要
- 下痢は、「便形状が軟便あるいは水様便,かつ排便回数が増加する状態」と定義されます。
- 慢性下痢症は、「4週間以上持続または反復する下痢のために日常生活に様々な支障をきたした病態」と定義されます。
- 慢性下痢症は、①薬剤性下痢症、②食物起因性下痢症、③症候性(全身疾患性)下痢症、④感染性下痢症、⑤器質性下痢症(炎症性や腫瘍性)、⑥胆汁酸性下痢症、⑦機能性下痢症、⑧下痢型過敏性腸症候群(下痢型IBS)の8つに分類されます。
- 慢性下痢症(狭義)は、主に機能性下痢症に相当し、慢性の期間を4週間以上とし、腹痛の有無は問いません。
- 日本人の有病率は、およそ3〜5%程度と推定され、男性に多い傾向があり、QOL(生活の質)や労働生産性を低下させる可能性があります。
- 慢性下痢症(狭義)の病態には、食事内容が関与します。
推奨
- 慢性下痢症の診療では、予期せぬ体重減少、夜間の下痢、最近の抗菌薬の服用、血便、大量・頻回の下痢、低栄養状態、炎症性腸疾患や大腸癌などの家族歴といった警告症状・徴候を確認することがあげられます。
- 鑑別診断のために、血液検査、糞便検査、画像検査が有用です。問診や身体診察から基礎疾患や病態を考察し、必要となる検査を個別に判断して実施することが推奨されます。
- 大腸内視鏡検査は、器質的疾患との鑑別診断・除外診断において有用であるため、実施することが推奨されます。