仮性嚢胞

概要・推奨

概要

  • 膵仮性嚢胞は、膵臓内あるいは膵臓周囲に形成される嚢胞性病変で、嚢胞壁の内腔面に上皮細胞を認めないものです。
  • 主に膵炎や外傷に続発して形成される膵液主体の被包化液体貯留であり、内部に壊死成分をほとんど含まないことが膵仮性嚢胞の特徴です。壊死成分を含む被包化病変は、被包化壊死(walled-off necrosis: WON)として区別します。
  • 急性膵炎後の局所合併症は、Revised Atlanta分類では、発症4週未満の急性膵周囲液体貯留(APFC)または急性壊死性貯留(ANC)、4週以後の膵仮性嚢胞(PPC)またはWONに分類されます。慢性膵炎に伴う液体貯留でも、内部に壊死成分をほとんど含まない被包化病変は膵仮性嚢胞として扱います。
  • 発生頻度は、急性膵炎後で約10%、慢性膵炎で約30%と報告されています。
  • 症状として腹痛、悪心・嘔吐、腹部腫瘤、黄疸などがみられますが、無症状で偶然発見されることも多くなっています。
  • 合併症には感染、消化管や胆道などの閉塞、腹腔内や消化管への破裂・穿通、出血などがあります。嚢胞の大きさが6cmを超える場合は、その発生頻度が高くなります。
  • 嚢胞径6 cm以上は介入を検討する一つの目安ですが、サイズ単独ではなく、症候、増大傾向、感染、圧迫症状、出血リスク、膵管交通の有無を総合して治療適応を判断します。
  • 慢性膵炎の急性増悪に続発して形成される嚢胞径6cm以下の仮性嚢胞は自然治癒が期待できますが、膵管狭窄や膵石が原因の嚢胞では自然治癒はほとんど期待できない為より積極的な介入を要することがあります。

推奨

  • 原則として、腹痛、感染、閉塞症状などの症状がある仮性嚢胞が治療対象となります。
  • 増大傾向にある場合や、仮性動脈瘤破裂などの危険が予想される場合も治療が推奨されます。
  • 有症状の仮性嚢胞に対しては、侵襲性を考慮して内視鏡的ドレナージ術を第一選択として行うことが推奨されます。