MRSA感染症

概要・推奨

概要

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、病院内で分離される頻度が最も高い耐性菌の一つです。
  • 国内の施設におけるMRSAの検出率は以前より低下してきているものの、依然として多剤耐性菌の中では最も遭遇する頻度が高い菌種です。
  • 入院患者から分離される黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合は、2016年以降は48%前後で推移しています。
  • MRSAは、術後の創部感染を含む皮膚軟部組織感染症、血管内留置カテーテル挿入下の血流感染症、人工呼吸器関連肺炎を含む呼吸器感染症、骨髄炎や人工関節感染などを引き起こします。
  • 疫学的には、院内感染型MRSA(HA-MRSA)と市中感染型MRSA(CA-MRSA)に分けて考えられてきましたが、近年、医療関連施設においてもCA-MRSAの遺伝子型であるSCCmec IVのMRSAが主流となっています。

推奨

  • MRSA菌血症が疑われる場合、迅速診断(核酸検査など)を行うことが推奨されます。
  • MRSAの伝播予防策として、標準予防策の徹底と適切な手指衛生に加え、接触予防策が推奨されます。
  • 心臓外科・整形外科・脳外科等の清潔手術において、MRSA保菌者に対しては、施設のSSI発生率などを考慮した上で術前の除菌を検討することが推奨されます。