労作性胸痛
概要・推奨
概要
- 労作性胸痛の主な原因である安定冠動脈疾患(CAD)は、急性冠症候群(ACS)とは区別される病態です。
- 安定CADに対する血行再建術(PCIやCABG)が生命予後を改善するかについては、長年にわたり議論が続いてきました。
- 近年の大規模臨床試験(ISCHEMIA試験)では、中等度以上の虚血を有する安定CAD患者において、至適内科治療(OMT)に加えて早期に侵襲的治療を行っても、OMTを優先する保存的治療と比較して、心血管イベントの発生率は減少しないことが示されました。
- ただし、この試験ではACSや増悪型・難治性狭心症などの高リスク患者は除外されているため、結果の解釈には注意が必要です。
- これらのエビデンスに基づき、安定CADの管理戦略は見直されており、診断から治療に至る各段階で、より個別化されたアプローチが求められています。
- 診断の第一歩として、年齢、性別、症状の性状から算出される検査前確率(PTP)と、危険因子や基礎的な検査結果を考慮した臨床的尤度(CL)を系統的に評価することが重要です。
- 治療の根幹は、生活習慣の改善と薬物療法からなる至適内科治療(OMT)です。OMTは、狭心症症状の緩和と心血管イベントの予防を目的として、診断の早い段階から開始されます。
- 患者の症状や生活の質(QOL)を評価する患者報告アウトカム(PRO)も、治療方針の決定や効果測定において重要視されています。
推奨
- 労作性胸痛の検査について
- 適切な検査の選択を導き、診断精度を上げるため、年齢、性別、症状の性状に基づいた検査前確率(PTP)と、危険因子などを加味した臨床的尤度(CL)を系統的に評価することが推奨されます。